20/01/2008
青年団の「隣にいても一人」全国七都市バージョン+英語リーディングのうち、帯広・青森・広島の3バージョン。
帯広版ののっけから、あぁ、こんな台詞を英語にしようとしていたんだな、こういうことだったんだな、と、一言一言がかみしめられて、かつ、それが俳優の力で舞台を成立させていることに、うるうるしてしまう。今更ながらなんだけれども。
帯広版の兄役は僕の尊敬する龍昇さんで、それだけでも一見に値するのだけれど、帯広演研の役者陣もしっとりと、低域の倍音を響かせて素敵だった。
青森版は、予想通りというか何と言おうか、畑澤聖吾大暴れ。本当にサービス精神旺盛な演技だったのだけれど、でも、本当にのびのび演技していたの は工藤倫子で、彼女の表情を追うだけでも充分面白い。もちろん森内・小寺もしっかと畑澤が繰り出す大技を受け止めて、重量感のある「ヘヴィ・メタル」な1 時間だった。
広島版は若い役者で揃えて、湿度の低い、カラッとした演技で見せた。どう見ても兄31歳、弟27歳、姉28歳、妹21歳、って感じだよ。これじゃ 岡崎由紀の奥様は18歳だよ。あるいは、石立鉄男だよ。自分でバンバンしちゃうよ。って感じで、実は、僕が考えていた「隣にいても一人」の舞台の温度・湿 度は、これくらいだったような気がする。英訳も、少なくとも当初はそんな具合になっていたと思う。
もとは同じ戯曲を、異なるアレンジ、異なる方言で楽しむのは、まるで今流行りのトリビュートものコンピアルバムを聴いているようで、贅沢な気分で ある。しかも、殆どの台詞に自分のニュアンスを植えつけて理解しているので、色んなおもいがぞろぞろと入りこんでくる。恥ずかしい話だが、笑いと涙と鼻水 でハンカチがぐしょぐしょになってしまった。
が、実は贅沢とか言っていられなくて、明日は英語版リーディングの初日だ。緊張してきた。自分が出演するわけでもないのに。
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