2007年2月3日土曜日

青年団若手自主企画 ブレーメンの自由

リーディングなので、「聴く」というべきなのかもしれないけれど、これは、やはり「観る」だ。

何の先入観もなく、かつファスビンダー映画を観たことのない身として言うが、テーマも進行も割りと古典的(悪く言えば紋切り型に近い)。現在僕たちが目にしている色々なモチーフの源流がファスビンダーにあるのであれば、それは凄いが、でも、多分違うだろう。

僕は「リーディング」に出かけるのも初めてだけれども、リーディングというよりは、「役者が動かない芝居」に近く感じられたこと。変に芝居をつけるよりはこれくらい抑えていた方が、僕には心地よい。

が、それは別に、リーディング中ずっと考えていたのは、「ベェエェエシェ」と、みんな、妙にヒロインの名前を伸ばして言っていたこと。これは、何故だろう。しかも、用件を言った後、間を入れずに「ベェエェエシェ」である。とても、名前を呼んでるようには聞こえない。

後半になって、僕の中では、「ベェエェエシェ」は「レレレノのレー」に変換された。
「お出かけですかレレレのレー」
「罰が当たるぞレレレのレー」
「金を返してくれレレレのレー」
何だか、等価である。それは、ちょっと、面白かった。

まぁ、変に理屈をつけて言えば、皆に呼ばれている名前は、ヒロインにとっては、
「自分が社会で果たすべきと期待されている役割の総体に対する呼び名」
であって、自分ではないという違和感があったから、ベェエェシェもレレレのレーも等価なんだ、と。それを表す、ということか(自分で言うのもなんだが、クサイな)。

こういう風にリーディングを味わえると、映画みたいと思わなかったりもした。イベントの趣旨には反するかもしれないが。

アフタートーク、岡田利規氏と中原昌也氏。飛ばす中原氏に、岡田氏ひたすら困る。岡田氏、「自分が人が悪くなりきれないことにコンプレックス感じる」と言ってたが、それ、ウソでしょう。あの困り方は、根っからの悪人じゃないと出来ませんぜ。

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