2007年2月4日日曜日

流山児事務所 浮世混浴鼠小僧次郎吉

劇団の方にお詫びしなければならないのは、開演後10分してから、自転車置場にある重要な忘れ物をしたことに気付き、かなり気もそぞろになりながらその後の芝居を観てしまったことです。結局事なきを得ましたが、観る私に集中力無かった。
なので、以下、述べることも、その分差し引いてご理解いただければ、と。何卒ご容赦頂きたい。

が、その「忘れ物」を忘れさせるほどのパワーで芝居が迫ってこなかったのもまた事実。

戯曲は36年前の世相を映す。演出は80年代以降のアングラ古典芸能を引きずる。これが2007年にどんなインパクトをもたらすか。
よく訓練された役者、テンポを失わずに繰り出すケレン味、スピード感と重量感。

それでも、それが、トータルで迫ってこなかったのは何故だろう?ひょっとするとそれは、36年のギャップへの演出家の自覚が、あるいは自ら出演した流山児氏の自覚が、却って戯曲と今のあいだにスキマをうんでしまったのか?

他の観客の皆さん大変愉快そうにこの芝居を観てたのに、僕はちょっと取り残された気分で、しかも頭の中の10分の1は忘れ物のことをチラと考えながら、こんなことを考えていたのです。

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