25/02/2007 ソワレ
<本稿、ネタバレ三段活用>
ここはまだネタバレなし。
恥ずかしながら、観ていて、激しく揺さぶられた。
涙は出なかったけれど、ヤラレタ。びっくりした。
色々端折っていうと、
・マメ山田に気をつけろ。背はちっちゃいが色物役者じゃない。心して掛かるべし。
・久保井氏、唐組では青年なのにここではすっかりオヤジ兄貴分。(勿論とてもかっこよい)。
・五十嵐操、カガヤく。
・もちろん、他の役者も、よし。
序盤、これぞオフ・ビート、という紋切り型が似合うペースでのたのたと進行。
が、一気に「裂け目」がたち現れて、それが、あからさまに「ウソぴょーん」と後景に引いたようなフリをしてまたガーッと裂ける。どこで「裂け目」を観たかは、この下の行から、
とにかく、です。都合のつく方は是非観てください。良い芝居です。断言する。
<ネタバレ一の段>
介護士が隣の部屋に行っているのを、耳を壁に押し付けて聞くキク。その表情もそうだが、むしろ、火鉢の灰に突き刺した火掻棒の動きに、驚く。その 火掻棒の先に、日々の無表情な暮らしに隠れた健康な希望やら呆けた情欲やらいくら歳月を重ねても消えることの無い業火がのぞき見える。
そしてタネ火となって「一旦」静まる。
このシーンは当面忘れられないだろう。
僕にとってみると、このシーンが全てで、ラストに近づいたところで出てくる次のシーンは、いわば、付け足しである。付け足しと呼ぶには余りにも重いけれど。
<ネタバレ二の段>
なので、介護士がいきなり服を脱いじゃうのも、驚きはしたけれど、実は、キクの火鉢の熱が抜けきらずにタキコのタネ火に燃え移っちゃったわけで。でも、一切説明なし、後始末なし。落とし前なし。これぞ芝居の醍醐味。演技も演出も素晴らしい。
で、伊勢海老ぐちゃぐちゃのシーンも、それは、それで、重いけれど、何だか、えー、体育の時間に突然すごい音を立ててトレパンの股が裂けた、それ を火鉢のシーンだとすると、伊勢海老のシーンは、慌ててトレパン押さえて教室に戻ろうとすると、やっぱり無理が利かずトレパンが足首まで裂けてしまって、 それを踏んで自分でひっくりこけたくらいのショック、という、要は、インパクトはかなりでかいけれど「続き」感あり、という感じでした。
笑顔の砦を観てからこの日記読んで、「こいつ、ちっともわかっとらん」とおっしゃる方いたら、多分そっちの方が当たっているだろうと思います。
僕は壁耳火鉢のシーンですっかりやられてしまって、あとは本当にメロメロでしたから。
それにしても、弘劇にペニノ、へビーな一日だった。幸せだ。
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