この公演の案内は、オフィスに送られてきた。
郵便を配る女性が、(多分気を遣ったのだろう)僕のデスクの上に、「封筒を裏返して」置いてくれたのである。
:おばたさん、こんなのしょくばにもちこまないでくださいね!!
職場が蒲田に近いこともあり、この誤解はある種やむを得ない。
これは、観に行かずばなるまい。そしてアンケートに住所変更をお願いせねばなるまい。
という、甚だ不謹慎な理由で森下まで出かけたが、何と何と、これが面白い。
フィリピン人役者のみによる「ドゥルセの胸に1000の詩を」、良い。字幕で集中力が落ちたが、これなら字幕なしでも十分いけたと思う。
代理母もの、男女2人もの、ドライ・ドライ。この書きっぷりはなんだろうと思ったら、案の定、後で見たらフィリピン人による戯曲である。
吸血鬼の誕生、は、日本人とフィリピン人を反転させて2バージョン。これがまた、加害者・被害者の転倒というシンプルな図式を超えて、面白い。勿 論、背後にあるドライな視線が、この短い芝居を、フィリピンのジャングルから世界中のジャングルへ(東京→上海→ロンドン→NY→LA)と拡大する。
が、止めを刺したのは内田春菊による「フィリピンパブで幸せを」。底抜けに明るい不条理劇が国籍・性別ともに不明のカオスの中でピカピカに光っていた。役者も楽しんでいたが、いやはや、楽しむに足る良いホンでした。
再度演じられるときには案内は自宅に来るだろうが、きっとそれも観に伺います。
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