思いもかけず(といっては大変失礼なのだが)非常に良い芝居を観た。淵野辺まで行った甲斐があった。
桜美林の学生の演技良し。最近の若い者は全く大したもんである。
装置良し。間口が広いのを十分に使って、座敷あり廊下あり縁側ありそして畑あり。素直かつ贅沢な舞台だ。
演出も良し。よこっちの指導が行き届いておると見える。
そして勿論戯曲良し。不思議でないもの(ただの自分の子供の成長への驚き)を不思議だ不思議だ超常現象に勝るとも劣らない、と新春駅前劇場で連発するだけあって、不思議でない事柄の中に不思議を見つけてぐいと手を入れ、一ひねりして舞台に載せる手管には長けている。
それが暖色のよこっちフィルターを通して客席に届くときに、何ともいえぬ気持ち良さがある。
その裏に、人間の業や嫉妬や弱さやヤセ我慢が隠れているのを、わざと知らん振りしておいて(or本当に気がつかないで)そのまま舞台に載せてしまう。それを、余計なことしないで演技に乗せる役者も良い。
ひょっとすると彼の人となりを知っていればこその身内びいきに過ぎないかもしれないが、それだけじゃこんなに褒めません。
横田修、あなどりがたし。いやー、本当にいい芝居だった。
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