2007年1月28日日曜日

サンプル シフト

昨年5月の帰国初日、成田に着いた5時間後に観たのが松井芝居。
その時「ホント、最近の若い人のやる芝居は刺激が強くて」
とつくづく感じたものだ。

で、今回は、(私にとっては)松井コミューン洗脳芝居第二弾。

重い。上手い。インチキくさい。

それが松井氏の狙っていたことであれば、まさに狙い通りの出来上がりでしょう。それを人間讃歌と銘打ってしまう松井氏の世界観たるや、「ぜぇったいに共有したくない」と思わせるものがある(ここ、褒めてます)。

この、恐ろしく乱視の度を上げて世界が歪んで見える眼鏡をわざとかけているような芝居を何で観に行きたくなってしまうかといえば、それは、きっ と、エンターテイニングでもあるからでしょう。あるいは、包丁人味平のブラックカレーのように、また観に来たくなるクスリを入れているのだろう。

1点。地方の話なのに地方特有の空気の濃さを感じなかった。これは、
a. 松井氏が東京育ちであるゆえの限界なのか
b. 「伝統と呼ばれているものが実は大変インチキくさいもので、地方らしさもそうだ」ということの反映なのか
c. 実は、僕が小野正嗣や大江健三郎の同時代ゲームやそういうものに感じる「空気のねとっとした感じ」が、実は他者と共有できない勝手な感覚であるから、なのか、
今のところ判断つかず。

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