2010年9月27日月曜日

shelf 班女

18/09/2010 16:35

A.C.O.A.の人間椅子が長引いたため、20分押しでの開演。客入れ中から役者舞台にのっているので、20分不動の姿勢はつらかったろう。

それはさておき、shelfの班女ということで、かなり生真面目な舞台を予想していたのだけれど、予想通り。テクストの読み手と、その読まれる世界の登場人物達、その二層構造を観る観客という、生真面目でかっつりした構造も、shelfの芝居ならそうだろう、という感じ。テクストもストレートに押し出されて、時として起きる「読み手」の混入がきっかり決められた世界に裂け目をもたらす可能性を感じさせはするものの、結局最後まで(僕から観て)裂け目は生じなかった。

もっと破綻に近いところで演じられても、僕の趣味としてはまったく構わないのになー、と思ったことである。僕は第七劇場の「破綻気味に」進む舞台の方が好き。ツレはshelfのストレートに来る押し出しのほうが好みなんだそうだ。で、夕方N氏と話してたら、N氏は「花子が吉雄を拒絶するくだりの戯曲の読み込みが、どちらの劇団も足りないんじゃないか」というような感想で、そういわれれば、確かにどちらの舞台もかなり「実子目線」にバイアスがかかって、「花子の自我」への目配りに欠けていた気もする。

いずれにせよ、班女、強度があってカラーに溢れた戯曲だなぁと感じた。戯曲の可能性を堪能できたという意味でも、第七劇場・shelf、それぞれに主張のある演出に感謝。

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