18/09/2010 15:00
如何に怪人鈴木シローさんであったとしても、独り舞台でデストロイヤーの覆面かぶって、かつ身体の動きを抑えて「人間椅子」の手紙部分を読み続けるのは、さすがに観ていて苦しかったのだ。
パフォーマンスの始まり方はさすが鈴木氏、議場劇場の観客全員が視野に入っていて、それを自分の「パフォーマンス・オーラ圏内」にしっかり取り込む手管が、客入れのときから作用し始めていた。導入の語りから、客席を通り抜けて着替えを済ませるまでの段取り、うなる。
が、やっぱりデストロイヤーの覆面は厳しかったなぁ。表情も半分も読み取れなくなってしまったし、しかもそのシーンは椅子に座りっぱなしだし。鈴木氏には申し訳ないし、自分的にももったいないのだけれど、そのシーンは眠たかった。ラス前、椅子を離れて舞台上を舞うシーンになって、ほっとしたのか、それともそのシーンが素晴しかったからか(実際、素晴しかったと思う)集中力大復活。最後はさすが鈴木さん、で締まったのだけれど、「どんぐりと山猫」の、あの、A.C.O.A.でしか出せない色の洪水を見てしまうと、どうしても不満が残ってしまう。
「霧笛」「どんぐり」「人間椅子」と、レパートリーにもすっごく幅があって、なので、今度鈴木さんのパフォーマンスを観る時には、一体その振れ幅の中でどんな作品が飛び出してくるのだろうか、それとも、どんな風に熟成して趣を変えてくるのだろうか、というのが楽しみではあるのだが。
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