18/04/2010 マチネ
千穐楽。テネシー・ウィリアムズの戯曲を短めに2本立てで。
ベタな戯曲をメタに処理する発想、よし。「しらみとり夫人」ではト書きの指定の思わせぶりと"実は"な登場人物の状況と"実世界"上のほぼ素舞台なステージセットのズレがうまーく処理されて、一本背骨が通る。「バーサよりよろしく」も、身体への負荷と言葉遊びをうまく組み合わせて、単なるどんでん返しな芝居から脱皮させていた。
だからこそ。台詞やちょっとした表情の滞空時間が長すぎたのが惜しい。
おそらく、テネシー・ウィリアムズの台詞が(もしかすると和訳のせいもあって)恥ずかしい、という意識はあったと思うのだ。だから、演出の意匠がうまくハマってると思わせているうちに、ささっと、滞空時間を与えずに、テクストをこなした方がよい結果が出たのじゃないかと思ったりしたのだ。空気椅子も水バケツも、折角役者に苦行を与えているのだから、苦悶の表情を捨石にしてしまった方が、トータルではもっと観やすくなったんじゃないかなー、と思われた。トータル50分くらいにぎゅっと圧縮してもよかったんじゃないかな、と。
0 件のコメント:
コメントを投稿