2010年4月5日月曜日

ハル大学 カガクするココロ

01/04/2010 ソワレ

初日。
大変面白かったのだ。白状すると「英語で現代口語演劇ができるだろうか」、「どうしても台詞をうたっちゃうんじゃないか」とみくびっていた部分も正直あったのだが、そういう偏見ははっきりとひっくり返されたと思う。

昔、内野儀さんが「なんだ、現代口語演劇っていったって、岸田今日子さんが演じたらとっても面白くなっちゃうんだから、(現代口語演劇が否定しようとしていた)新劇と何ら変わるところがないじゃないか、と思った」と話していたのを思い出したりもしたのだ。

と同時に、これは「翻訳劇」である。登場人物はもちろんみんな日本人だし、研究室ではお互い「名字呼び捨て」で呼び合ってるし、要は「こんな日本人いねーよ!」とつっこめるのだけれど、敢えてそういう「リアルでない」ところにつっこまずに「関係の取り方のリアルさ」に注目するのがミソ。

考えてみれば、シェークスピアを日本の劇団が日本で「日本語への翻訳で」ガチンコ演出で演じて、それをイギリスに持って行ったときに、イギリス人がどれくらい「面白い」と思ってくれるか心許ないところもある。
ところが、今回、平田オリザの芝居をイギリスの大学生が「英語翻訳で」演じて、それを日本に持ってきたものを「面白い」と思っちゃったのである。

なんだか、うれしいような、悔しいような(もちろん平田オリザは嬉しいんだろうけど)、複雑な気持ち。時々「翻訳劇ならでは」のちょっとした間の空いたところを発見しては、「あぁ、翻訳劇だなー」なんて意地悪なことを考えたりもする。

とまあ、色んなことは考えたけれど、何より「カガクするココロ」は若いキャスティングで演じるのが良い。ほんと「人生真っ盛り」な感じがして、しかも力があるって、素晴らしい。

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