2010年4月20日火曜日

ワンダーランド/こまばアゴラ劇場 劇評セミナー 第1回

17/04/2010

平田オリザ、「劇場、劇団、劇評を語る」。
劇場と劇場法のことは沢山語ったけれど、劇評のことはあんまり語らなかったな。

昔「(文芸)評論家とは、馬の尻にたかるハエのようなもんだ」と言った人がいると聞いたことがある気がする。
(その辺の記憶が定かでなくて、馬にたかるアブだったか、牛にたかるハエだったか...)
どうやらそんな扱いな感じ。要は、平田オリザは劇評を「ないと困るもの」と発言したのだけれど、受けた印象としては逆で、平田にとって劇評は「なくてもあんまり困らないもの」なのではないかと感じられた。まぁ、そうだ。彼は世の中に劇評があろうがなかろうが、芸術活動を続けるに違いないのだから。

ただ、一方で、平田の海外(特にフランス)での活動を正当化するための裏付け材料として、平田自身が「誉めてるのかけなしてるのかよく分かんないんですよ」というようなフランスの劇評を使ってきたことは間違いなく、「なくても困らないもの」の効用を利用するのって、どーよ?という気もしないではない。まぁ、それも「いやいや、あるものは使ったらいいじゃない」と返されたらぐぅの音も出ないが。

そしてまた、平田の考える「アーツカウンシル」も、何かしらの言説に「権威」「権力」を持たせる試みなのだろうけれど、彼が一体そこに何を求めているのか(「どう利用したいのか」というのと「何を期待しているのか」の二つの意味で)も、今ひとつすっきりしなかったかな。

武藤・佐々木・水牛の三人の講師陣、こういうところについて一体何を思ったのか、聞いてみたい気はした。

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