2009年10月19日月曜日

五反田団 生きてるものか

18/10/2009 マチネ

初日。観ていて気持ちの良い芝居。
役者、とっても楽しそうだった。難しそうだったけれど。
もちろん、自己満足・内輪受けではない。五反田団の芝居の面白さは相変わらずちまちまとした細部に宿って、「大河ドラマ」「ご教訓」の罠に陥らない居場所をしっかり見つけた上で、月並みな言い方で申し訳ないが、世界を見せてくれる。そして、押し付けない。

どんな意匠だったかとか筋だったとかは、書かない。
ネタバレすると本当に面白くなくなっちゃうから。それに、目新しいとか、ハッとさせられるとか、そういうものでもなかったから。でも、謎解きを楽しむ芝居ではないので、そこは安心してお楽しみください。

ネタバレにならない範囲で書けば、
・ 桝野氏のルール無用の破壊力は必見(それが初日だけだったらごめんなさい)。そして、桝野氏が遊べる場を作り上げてしまった演出・他の役者のキャパシティの大きさに感服する。
・ 五反田団で示される「生」は、いつも、草や枝に邪魔された暗いトンネルの視界の狭い中を匍匐前進で切り開きながら、展開していく気がしてい る。パーッと開けたかと思いきやすぐさま別のトンネルに入ったり、前むいて進んだり、後ろむいて進んだり、進んだと思ったら元に戻っていたり、ポンと他の トンネルの中に入ったり。で、結局、最後の最後まで、視界が360度開けることはなくて、トンネルの先のほうに仄かに光のような闇のようなものがちらつい て終わる。そういう意味で、僕は今まで見た中では、「さようなら僕の小さな名声」が大好きなのだが、確かに今回の2作品も同じような「生」を示している なぁ、と。

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