10/10/2009 ソワレ
文句なしに傑作。
初演と比べてみると、岩井氏が出演せず演出に専念したことで、色々なものの輪郭がくっきりした気がした。輪郭がくっきりした分、前半と後半のズレ(視点が違うことによるピントの合わせ方や事実の捉えかたや時間の流れ方)が強調される。良い意味で分かりやすく、見え易くなった。
いや、もしかするとそういう風に僕が感じたのは、今回、僕がちょっと深く「て」の戯曲とお付き合いさせていただいたためかもしれないけれど。
ヨメには悪いが、今回は小生も初演時と逆方向から観させて頂いた。そうすると、やっぱりそこで新しい発見もあり、それも楽しい。
役者もみな素晴しいが、でも、本当は、永井若葉さんをずっと観ていたかったな。スジとか騒ぎとか一切追わないで、一度、永井さんだけを見続ける、というのをやってみたい。それくらい素晴しい。町田氏や平原氏のあの「無関心」「オレいざとなったら非当事者」な態度にも凄みがあって、ステージにきちっとフレームを嵌めている。
観てから2日間、「わが星」や「て」のことをヨメと話し続けているが、いくら話してもネタがつきないのだ。まぁ、アフタートークで「きしょい人」といわれたお兄さんが実は当日券で観に来てた、というのもネタの一つではあるが。
なんだけど。この芝居、ほんっとみ~んなに観てもらいたいのに。た~くさん観に来たらいいのに。
やっぱり、アフタートークで「どうやったらもっと観に来てもらえるのか」という質問に松井・岩井が答えに詰まってしまうのを見ると。「前半・後半2度繰り返す意味が分からない」と言われて岩井が答えに詰まってしまうのを見ると。
まだまだ道は遠い。でも、遠いからこそ歩いてみたくなるのかもしれないぞ。がんばれ。
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