04/09/2009 ソワレ
タイトルには「悪趣味」とあるけれど、予想していたほど「悪趣味」ではなかった。
面白くなかった、という意味では、ぜんぜんない。
トラムで久々にみた「打ちっぱなしの外壁を見せないように作り込んだセット(まさに「セット」と呼ぶのにふさわしい)」を使って、しかも主なあらすじは「家族のお話」、中屋敷氏、正統派紋切り型の極致といってもよいフレームを持ち出してくる。
で、まぁ、そういう、「どうでもよい」設定を使って繰り出す「もっとどうでもよいけれど、ぜひとも"演劇"でやってみたい企み」のオンパレードが気持ち良く、こころゆくまで満喫。
(が、一方で、もちろん、本当に芯の芯までどうでもよいと本人が思ってたら、舞台にすら載せないとは思うが)
とりわけ「こども」と「かっぱ」「警官たち」が小生のお気に入り。ネタバレになるのでこれ以上書きませんが。
本当に、中屋敷の芝居を観る度に、芝居というのは、名付けや名指しや説明台詞で成り立つ壮大なごっこ遊びであることを、(本当に痛みを感じながら)痛感するのです。それを俯瞰しながら、自らの才能を舞台に投げ込んであらゆる空間・時間を使いつくす中屋敷氏、おそるべし。
中屋敷氏が「やりつくしちゃった。次、どうしたらいいんだ?」とか、「本当に舞台に載せたいことが何もなくなっちゃった」と考え始めたり、自分に疑念を抱き始めたら、きっともっと面白いものが観れちゃうんじゃないかという気もしているが。そう。すべてにおいて、あまりにもポジティブで。「悪趣味」なことにもポジティブで。何ともねたましい。
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