2008年10月14日火曜日

dracom祭典2008 ハカラズモ

13/10/2008 マチネ

役者が出てくるとPAから台詞が流れてきて、それに合わせて役者が当てぶりするかと思いきや、台詞と動きがシンクロしていない!
台詞に若干遅れて動きが出るのか、先行して動きが出るのか、読めない。もしかするとまったくリンクさせてないのかと思いきや、シンクロする瞬間が出てきたりして、もてあそばれ感あり。

後で当日パンフ読み返すと、確かに、前作「もれうた」でも「録音された台詞と俳優の演技する身体がずれる」ということをやっていて、そうか、それが作・演出にとって面白いことなんだな、と思った。

それと、「コート」という場を巡って交わされる様々な会話の断片が組み合わさって、何かひとつの世界が織り上がるのかと思いきや、最後まで端切れ は端切れのまま拡散して、統一感のない感じ。そもそも白線で囲まれた制度としての「場」が既にある以上、そこに物語を持ち込むまでもなく、断片がコートを 通り過ぎる瞬間を定点観測することで世界を成立させよう、ってか?

うーん、そういう「ズレ」の感覚とか、あるいは、「振り付け」が実は台詞と連動していないこと、というのはわからいでもないが、それと断片化が合わさると、ちょっと、眠い。
どうしても舞台上の現象を一定の(自分なりの)コンテクストに当てはめて咀嚼しようとする限り、それが不可能に近付けば近付くほど、眠くなる。でも、まあ、最初から70分の公演だと分かっているので、落ちずに観ていたのだけれど。

紋切り型の「お芝居」からどこまでズレを生じさせたら、「刺激」として楽しむことが出来、どこから先に行ってしまうと「コンテクストに嵌められな いもの」として拒絶してしまうのか、という線を自覚させられたみたいで、ちょっと後味の悪い芝居だった。が、次回同じテを使ってきたら、もう少し突っ込ん で観る覚悟は出来ているつもり。

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