2008年10月5日日曜日

パラドックス定数 三億円事件

03/10/2008 ソワレ

「実際に起きた事件を元に虚構を組みなおすハードボイルド男芝居」の名を借りた野木萌葱の腐女子芝居、今回は三億円事件時効直前の刑事達のドラマ。

はい、もうこれだけで一気に妄想広がっちゃうひと、いたでしょう?そういう期待を裏切らない、全員メガネ・ダークスーツ仕立て。役者陣、あと20歳年取ったらオノ・ナツメの世界。

とはいうものの、正直なところを白状すると、観る直前になって、「また同じ趣向の芝居を1時間半観ちまうのか」という気分にはなった。野木氏の世界がなまじ閉じた格好で完結しているがために、「次はどうかな?」のワクワク感に欠けるのは、仕方がないのであろうか?

しょっぱな諌山氏の力の入った台詞は先行き心配になるが、時間の進行とともにきちんと台詞の力の入り具合にもオチがついて、各役者とも出すぎず引っ込みすぎず、野木ワールドを織り上げて、1時間40分飽きずに一気に見切った。やっぱり、何のかんの言って、面白い。

終演後、マイミク非夏氏、劇作家M女史と飲み。男2人がかりでMさんに、いかにパラドックス定数が腐女子芝居であるかを、「BL」の定義から説き起こして説明。その後、パラドックス定数が芝居である必要があるのか、という話に及んで、小生、持論の「高村薫はハードボイルドの名を借りたやをいである」論を繰り出すも、不発。その他色々話して、結局朝4時半。それだけ話せるネタを提供してくれたパラドックス定数にとりあえず感謝です。

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