2007年5月5日土曜日

青年団若手自主公演 UNIT

04/05/2007 ソワレ

繰り返しになってしまうけれども、僕は「カルトもの」とか「ギリギリ状況集団もの」とか、余り好きじゃない。設定を見せられた瞬間に、ラストに近 づいたところでの集団の綻びや個と集団の軋轢の中での絶叫個人技がワンサカ出てきそうな気配がしてしまって、そっちの方にドキドキしてしまうのだ(もちろ ん悪い意味で)。

入場した途端に、新興宗教の臭いプンプンな設定・舞台で、これは、まさに、ドキドキした。

が、最後まで、絶叫個人技を押さえ込みつつ、集団の綻びチラリ作戦も(ほとんど)無く、見せ切ってしまう。幕前の予想を良い方に裏切る良い芝居である。

滝沢さんの、「集団にとっての外部の人」に加えて「実はこいつ、外の世間でも外部でしょう」という人の破壊力。その顛末を、(前回の芝居のよう に)暴力で解決するでなく、それが「内部への物理的でない暴力の形を取ったやつあたりと組織の自己崩壊」に昇華するわけでなく、全てのフラストレーション が不発するサマが、何とも心地よい。

とすると、その不発は、何もカルト教団でなくても良かったのでは、というのが当然にでてくる疑問だが、演出氏はどうも真正面からカルト教団にぶち当たったようだ。そのナイーブさが、今回は吉と出た。

この、ナイーブに核心に踏み込んでいかんとする態度を保ちつつ、もっとずるく、今度はそこに踏み込む自分に興味をズラしながら、「ドリフ」をやるのならそれはそれで一層興味深い。
ホント、ここまで出来るなら、僕の好みとしては、カルトとかやって欲しくないような。ネタはそこここに転がって、凝らした眼に対してだけ裂け目をさらしている。西村企画がそこを捉える眼を持っていることを今回の芝居は示した。次は眼のやり場がテーマです。

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