2007年5月20日日曜日

新国立劇場 下周村

19/05/2007 ソワレ

失敗だな、こりゃ。何だか訳のわかんないものに仕上がっちまって、喩えて言うなら焼きそばパンの向こうを張ったうどんパン、ラーメンパン、手打ちそばサンド、豚まんの向こうを張った串カツまん、という感じか。

劇場を出た瞬間、変な芝居だ、というフレーズがこびりついて離れなくなったが、一晩たって頭冷やしてみると、やっぱり変な芝居かつ失敗だ。

篠塚さんはいつ見ても素晴らしくて、特に今回は2人の演出家がきっとそれぞれ全然違うことを要求して、日本人の役者は苦しんでいたであろう中できちんとしていたのは、本当に尊敬に値する。
「来るかな?」の待ち方は「これが中国式の待ち方か?」という感じで興味深かったし、アナーキーな書割も面白いといえば面白い。
中国人役者が、どうしても台詞を言う前に面を切って間をとってしまうのは、中国はみんなそうなのか、この演出家がそうなのか、平田も一緒にそうしたのか、なぞが残る。
まぁ、色々考え出すと、突っ込むネタもどうしても解決の付かない謎もうじゃうじゃ沸いてきて、それを面白いと呼ぶなら面白かったのではあるが。

でも、本当に気になったのは、日本人の大学生が、両親が帰った後、面をきって、間をとって、表情を変えて、涙を拭く。その一連の動きだ。オリザよ、なぜそれを演出として許した?それは、何かに対する諦めなのか?一体何を諦めてそれを許したのか?
少なくとも僕は許したくない。裏にどんな苦労があったとしてもだ。

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