08/12/2007 マチネ
夏に観た「おやすみ、枇杷の木」はちょっとこれはいかがなものか、という感じだったのだが、このオムニバスは、予期に反して、良く出来ていた。
5つの短いスキットを繋ぎ合わせて1時間半。バランスも悪くない。ただし、ここでの「良く出来ている」は、直訳するとWell Madeで、つまり、ウェルメイドに近い出来映えとなっている気がした。そして、僕はウェルメイドという言葉は誉め言葉としては使わない。
一定時間の中で起承転結をつけて、何だかはっとする出来事があって、で、「それからどうなっちゃうの?」と思わせておいて、そこで終わり。なに も、物語の続きやオチを求めているわけではない。短い時間の中なので寄り道が出来ない、あるいは、寄り道を避けている、というところに不満が残るのだ。そ こで役者が窮屈に見えてしまう。
もちろん、流れ自体は悪くなくって、あくまでもウェルメイドに、役者の演技もお話を邪魔しないように、組み立てられているのだけれど。これではど うにも妄想への取っ掛かり、想像力の引きがね、現実世界に突如生じる裂け目が見つけられない。もちろん、そういうことを求める観客は少数派なんだろうな、 とは自覚しているんだけれど...
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