06/01/2010
こまばアゴラ劇場、冬のサミットのワークショップ企画、今年のテーマは「言葉を越えて...」。全6回のうち今回は初回、サンプル主宰の松井周氏を迎えて「世界を名付け直す」。
http://www.agora-summit.com/2009w/ws_butai.html
今回はアゴラ内稽古場に20人が集まって、「名前コスプレ」。続いて、6つのグループに分かれて、グループごとに、一定の名前のイメージに沿って周囲の事物を名付け直していくという、一歩間違えば、いや、間違わずとも、かなり危ない試みだった。
これは危ない。周囲の事物にこれまで「社会の共通の認識として」与えられていた名前を一旦剥ぎ取り、ずれた名前を与えてしまうのだから。要は、色んなものを共有する社会から自分のいるグループを切り離して、一つ新しい小社会を作っちゃってください。ということである。
名付けのプロセスは、「名付けが済んだもの」と「名付けの済んでいないもの」の区別を生み、そこに「内」と「外」、「おれたち」と「彼ら」を生む。名前は自分で付けるものではなく、他人につけられるものだから、そこには一種「権力」もはたらく。
そのプロセスに対して、がーっと一気に入り込んでいくグループ、入り込みきれず既存のロゴスに片足残しながら進めるグループ、捩じれ歪みながらも一つの歪んだ世界が出来てしまうグループ。そういったグループ毎の差異も大変面白かった。
昨年以来、「演劇とは名づけと名乗りのプロセスである」という命題がずっと引っ掛かっているのだけれど、うん、それは、そんなに焦点を外した引っ掛かりではないぞ、という気もしてきた。
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