01/07/2007 マチネ
趣向と紋切り型が織り重ねられた何ともいいがたい芝居。
ビデオ屋の人間関係と「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い出させる図書館の光景とを組み合わせて、バスケットボールをその入り繰りの鍵に見立てる。
紋切り型のやり取りの中にもビデオ屋の客やなにかしらの、「あきさせない or 目先を変える」趣向が用意されていて、1時間55分最後まで見せる手管はさすが高井さん手馴れたものではあるが、ただし、
・図書館で穏やかになっちゃった人たちが、子供SFの宇宙人に乗っ取られて穏やかになっちゃった人みたいにしゃべるのは、いかがなものか。
・女の子の意地悪って、あんなに紋切り型なもんなのかい?あんまり積み重なると、くどくないかい?
全体的な感じとして、仕掛けと趣向に引きずり回されて、役者の足が地についていない気がしたかな。もっとガッチリ演出つければ、趣向に関係なく濃 い空間が出来上がってたはずなのに、どうも流れちゃってる気がして。それとも、趣向と「いま、ここにいること」と、そこのバランスにおいてギリギリのとこ ろを狙っているのかしら?狙っているのだとすると、次回以降は「趣向」をある程度犠牲にして欲しい気はした。役者のコマはそれなりに揃っているのだから。
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