2007年7月15日日曜日

南河内万歳一座 滅裂博士

14/07/2007 マチネ

前回「百物語」を観たときに南河内は80年代から良くも悪くも進化・進歩していないと感じたのが残っていて、その意味で、娘には、
「お父さんはね、このテの芝居を観て面白いと思ってしまったために、芝居の道に足を踏み込んでしまったのだよ。オリザだって、このテの芝居をしようとしてたこともあったんだよ。」
という教材としてみせたいと思っていた。勿論、観ていて面白い芝居、というのは最低条件だけれど。

池袋に行くと芸術劇場前に唐ゼミがテントを張っていて、うーむ、これで唐ゼミとはしごすると
なべげん(90年代風)→南河内(80年代風)→唐ゼミ(70年代風)
と、小劇場年代別逆行三段活用、となるのだったが、それは16の娘にはちとハードすぎる、ということで断念。

で、肝心の芝居だが、滅博士の生首トレー載せ後ろ足蹴り上げシーンに一家KO負け。やられた。この瞬間に、父、勝利を確信。案の定、小屋を出ると きに娘のたまわく「話が分からなかった...でも、植木鉢つかった棒倒しは面白かった。滅博士は自分でもやってみたい」。そうだろうともよ。話の筋に拘ら ないのが80年代芝居の醍醐味よ。でもよ、滅博士の真似は、良い子はしちゃいけねぇ。一発で腰に来る。

あれ?そうそう、肝心の芝居だが、相変わらず巧拙乱れ打ちスタイルに変化なし。自らの「巧」の部分を自覚しているのかしていないのか、敢えて磨か ないことで輝きを保ち、一方「拙」の方もこれはおそらく自覚せぬままほったらかしでいたら黒光りして、「これでいいんだよ」の開き直りに凄みが滲む。内藤 氏が「うまいことやろう」と考えない限りにおいてこの劇団は下北沢三福林のような存在感を示し続けるだろう。僕は、いつかそれにも終わりが来ることを予感 しつつ、せめてそれまでは折を見て遊びに行こう、という気になってしまうのだ。

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