2007年7月14日土曜日

渡部源四郎商店 小泊の長い夏

13/07/2007 ソワレ

娘の夏休み「芝居養成ギプスシリーズ」第一弾ということで、畑澤戯曲。昨年夏の「猫の恋」では、やはり新劇は新劇だ、というような結論になって、 涙流して観てた娘も、「女優は何とかならんのか」みたいなことをのたもうて、我が英才教育プランは何と順調なことかと秘かにほくそ笑んでいたのだが、はた してなべげん公演の成果は如何に。

と、前置き長くなったが、やはり、力のある戯曲、安心して観ていられた。フレームの嵌め方(親子ごっこ)、紋切り型に陥りそうなシーンを救うズルさ(親子ごっこ中を時折覗きに来る佐藤誠)、泣かせ寸止めの手管(親子のシーン、ラスト)、どこをとっても、上手い。

安心して観られなかったのは、宮越氏である。実年齢80歳が車椅子に乗って登場とは。それだけで全自動卓を舞台上に置くくらいのインパクトと引力を放つ。その、紋切り型に言えば「本番中に倒れないだろうな」みたいな男優が、
「オレは余計なこと何にもしないし余計な抑揚も何にもつけないよ。年寄り臭い演技なんて一つもないよ。でも、見てみ。よーく、見てみ。」
という演技をしてみせる。まさにその「身体性」に圧倒された。これは、やられた。

佐藤誠、相変わらず調子に乗っている。どうだ、聴き取れまい、理解できまい、という津軽弁が、舞台上の人物どころか観客まで恫喝する気合である。ささきまこと氏、好感度高い演技。あざとさまでも敢えて殺して臨んでいたように窺えた。

うん。納得。でも、なんだか、まとまっていたかな。風が吹かなかった。勝手なことを言わせてもらえば、畑澤さんの芝居では、その巨体から繰り出される風が「ぶんっ」と音を立てて客席を吹き抜ける瞬間を感じたい。僕は欲深な観客なのである。

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