2007年7月2日月曜日

阿佐ヶ谷スパイダース 少女とガソリン

01/07/2007 ソワレ

初見の「イヌの日」で感じた「ヤバさ」のかけらも無く、純朴に人民万歳、平等万歳を、何の毒も無く素直に舞台に乗っけられると、観ているおじさんは途方にくれた。

一つには、スズナリというある程度小さな、観客席の近い小屋で演じたときにどうなるかな、という興味もあったのだが、この阿佐ヶ谷スパイダースに はでかい小屋のほうが良い。と思った。スズナリをこんなに「大きく」使う劇団は余りみたことがない(物理的に、というのも若干はあるが、「演技が」という 意味です)。
大きな小屋が似合う舞台を無理やり小さいところに押し込めているみたいで、違和感あり。

で、小さな小屋の大きな演技。紋切り型に輪がかかる。
そもそも、物語自体が、
「なんでわざわざ娘っこアイドルを連れてきちゃったのか」
という、劇中で中村まことが思わず聞いてしまうような根本的な瑕疵をかかえたまんま走っている。
そして、平等なコミューンの賛歌やらその後のコミューンの成り行きやら意外な事実やら、そういう、

「おらおらおらぁ、紋切り型だけどパワーで押すぜ、役者の面白さで突っ切るぜぇ、」

というタイプの芝居なんだから、せめて役者が紋切り型の演技をしたり、余計な間をとったり、漫才な突っ込みを入れたり、というのは削ぎとって欲し かった。そうすれば、2時間半もかける芝居ではなくなると思う。イヌの日、って、そういう、エンターテイニングな部分を削いでもなおかつ2時間超で、かつ 充分面白かったんだが。

小劇場の皮をかぶっているように見せて、根っこは意外とコンサバなんだな、と得心した。

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