2006年11月12日日曜日

ハナオフ 相対的浮世絵

良きにつけ悪しきにつけ、大人の芝居。
口の悪い言い方をすれば、年寄くさい。
でも、その分、安心して観れる。最後まで一線を外さないで芝居が進むだろうという安心感。

無駄なシーンも多い。年寄りだけあって、芝居の体脂肪率も高め。20年前に比べて明らかに体脂肪率が落ちて、何だかむしろ若返ってしまったようにも見えた水下さん本人と対照的。水下さんの体脂肪率が14%なら、この芝居の体脂肪率は23%くらい。

ただし、削って削って芝居を作りこむ先に、結構不毛な地点が出てくるってことも何となく見当が付いていて(僕らエタノールを飲まないのと同じで)、じゃあ、どれくらい混じり物が入っていれば良いかなんていうのは、舞台に載せてみなきゃ分からない。

こうして書いてると、何だか、一番咎められるべきは実は観客としての僕の態度で、一体、オレ、何を水下さんの芝居に期待してたんだろうね、ってこ とで、まさか「可も無く不可も無く」を期待してて、その枠の中に入ってたのでOK、みたいなナメた態度で芝居小屋に足を運んではならんのである。

ああ、水下さん、ごめんなさい。僕が水下さんに言わなきゃなんなかったのは、実は、こういうことです:
「ミズさん、もっとそぎ落とした、エッジの効いた芝居もやってくださいよ。まだ落ち着く歳じゃないっすよ」

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