2006年11月19日日曜日

無機王 吉田鳥夫の未来

サミット伊東さんが前回出演してた「無機王」である。

記憶が一定時間経つと振り出しに戻る設定は、最近バカ売れして映画化もされたけれどあんまり面白くないセンチな小説、「博士の愛した数式」と同じ。

一旦巷で消費されちまったネタで芝居やるんだから、それは、頑張っているに違いない、と期待して行った。

結果、面白い芝居でした。

アンケートにも書いたが、印象に残ったのは、
・ 虎美、ウンコ座りするも、(オレと同様)足首堅いからか、かかとが浮いている。
・ 女子中学生、横倒しに倒れるときに足がピクピクしている。
・ タミアイ、卓袱台を引っかく音が聞こえる。しびれた。
・ 女子中学生、リップクリームが取れないように横向きでストローを使うと宣言し、堂々と、時間をかけて面を切る。これにもしびれにしびれた。
・ 洋、たじろぎ方が何とも言えない。虎美、卓袱台の下から洋を引っ張り出すとき、電気あんまをしなかったのが残念だ

うーん、オレは、一体何を観ていたのだろう?

でも、そういう細部に目が行くということは、全体の作りについて安心できていたということです。
贅沢を言えば、もっと鳥夫と保を観たかったんだけど。何だか、最初は鳥夫の話だったのに、書いているうちに周りの登場人物にすっごく情が移っちゃって、鳥夫・保が割りを食った印象あり。
割を食ったのは、鳥夫・保の他、喜一郎と海老子もそうですね。他の役者ほど遊びを与えられていなかった。
ああ、この芝居、2時間超えてもいいから、もっと沢山みたかったなぁ。

一つ難癖つけるとすると、「幸せいっぱいサザエさん風ファミリーで始め、ハッピーエンドで終える」トーンの決め方、かな?
もっと気持ちの悪いハッピーエンド、あるいは、希望の持てる悲しい大団円、もしかすると、何だかよくわかんない結末、というのもあったかも知れない。そういうことの出来る力のある劇団だと思いました。

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