2006年11月13日月曜日

タテヨコ企画 フラミンゴの夢

ヨコタ君の芝居を初めて観るのは、緊張した。
万が一すごく恥ずかしい芝居を演出していようものなら、僕が居たたまれなくなってしまうだろう。そして、芝居前に顔を合わせていたにも拘らず、眼をあわさぬようにしてコソコソと帰らなければならないだろう。そして、日記には何と書けばよいのか!

という緊張感である。なので、終演後の乾杯にもちょっとお付き合いできて、良かったです。というか、安心した。

すごく良い芝居。役者良し。使い方良し。そして何より、丁寧に作ってました。アンケートにも書いたが、「アラの探せない」芝居。

で、何が不満か。観終わって一日経って、何だかふつふつと形になりつつある感想。

「人柄の良い芝居でありすぎる」
そのこころは、①ヨコタ君の人柄のよさが前面ににじみ出ている ②登場人物みんなが、実はいいやつ ③で、その、いい人たちの空間が、善意も悪意も、良い人のエッセンスが紡ぐループの中で閉じている

それって、とっても気持ちいい。

でも、芝居でぐっと来る瞬間って、えてして、そういう心地よい空間の中に、一瞬裂け目が開いて、そこから冷たくて生臭い風が、あっと声を上げるまもなく、瞬間吹きこんで、たちまちに止む、というようなところにあったりもするんです。

今度は、そこを覗いてみたい。ヨコタ君に見える世界に一瞬開いて閉じる闇の世界への窓。いい人の役柄を与えられながら、分けの分からない心地悪さ(かもしれないしそうでないかもしれないもの)を残す役者。

次も楽しみにしてます。

0 件のコメント: