26/09/2015 20:00 @National Theatre, Temporary Theatre
冒頭から懐かしの1980年代日本の小劇場演劇を思わせる展開の現代劇。
汚れたランニングに汚れた白ブリーフ、その上に米軍放出のコート引っかけてサングラスのスキンヘッドあごひげ男がキッツいマンチェスター訛りで「インディ・ジョーンズの失われたアーク」のあらすじを語り出すところから、何だか第三エロチカじみたものを感じて、
「これ、展開に付いてはいけないかもしれないけれど、楽しめるんじゃないだろうか」
って気がする。
囲み客席の中に浅い擂り鉢状に中心に向かって下っていく6角形の舞台があって、中心に排水溝の蓋。
マンチェスターの市内、運河の中にコンクリート造りの島があって、出口は1本の道。
そこに入り込んだ人間は二度とそこから戻らないという・・・
そこに、行方不明になった双子の妹を探しに若い女がやって来て・・・
取っつきにくいが実はお人好しの娼婦、目的のためには手段を選ばない女ボスキャラ、無口で凶暴な大男、妄想とラヴクロフト風RPGにうつつを抜かすその相棒、そしてそのRPGをプレイしにどこからともなくやって来る謎の少女、
うっわー、キャラの立て方も第三エロチカで、これ、どうやって風呂敷広げていくんだろう、いや、最後には畳んでいくんだろう、と期待は高まる。
が、実際のところ、芝居が進行するにつれてこれらのキャラクターが有機的に絡んで、伏線が活きてきて、ストーリーがうねっていく、ということが起きたかというとそんなことはなくて、一つ一つのシーンが、断片としてすごく面白いことはあっても、うまく織り上げられていたとは言えないだろう。
むしろ、奇天烈キャラと暴力的なイメージを積み重ねておいて、あとは観客に放り投げている感じがした。
あ!って、それ、まさに川村さんの第三エロチカそのままじゃないか、と思い当たる。
うーん、このテの芝居の作り方(フィジカルな演技、暗転の多用とイメージの積み重ね、等々)が、これからどんな風に進化していくかにはとても興味が沸いてくる。
全体としてスマッシュヒットではなかったけれども、このテの芝居をUKで観ることはほとんど無かったので、それはそれで楽しめた。
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