26/06/2010 ソワレ
手塚夏子氏、初見。
観ていて何とも気持ち悪いパフォーマンス。だが、観ていて飽きることは決してない。リニアに時間を刻んでいくし、「身体」と「心」の動きもそれぞれリニアな軸の上を行ったりきたりして、途中でなんとなく結末も見えてくる感じなのにもかかわらず、そこで理に落ちて興ざめということもない。
「私的解剖実験」という名にふさわしく、人間の身体に人為的な刺激(あるいは制約)を加えたら、それが人体という不完全な機械のもう片方の重要な部分を占めるパーツであるところの「心」「感情」にどのような作用を及ぼすのか、そして感情は身体にどうフィードバックするのか、そのループの具合には正解の糸口も試行錯誤の出口もなくて、劇場を出るときにはなんともいえない不快感が残る。
これから一体何が起きるのだろうということにとても関心を持ちながら観続けた。けれど、どこまで段取りを決めてどこから計算が効かなくなっているのかは見破れなくて、いや、「ひょっとしたら計算できないハプニングに頼る部分が大きかったらどうしよう?」という不安も実はかなりあった。
劇場を出てからかなり時間がたってから思えば、その不安には"ほぼ"根拠がなかったし、何となくロジックで説明できそうな部分もあるのだけど、どちらかといえば、終演直後のあの何ともいえない微妙な不快感の方が大事なのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿