2009年7月18日土曜日

快快 My name is I LOVE YOU 欧州公演Work in Progress

13/07/2009 ソワレ

欧州遠征の直前公開稽古。
前半各自のテンポがかみ合わず、ちょっと「あれ?」って感じだったが、ガム合戦、妹登場で盛り返し、勢いがついて最後まで面白く観た。

千田氏の英語ナレーションも良し。エフェクトのかかったナレーションは、ちょっとYMOみたいで、というこころは、聞き取りにくくて意味も追いにくいんだけど、YMOは歌詞がわかんなくても充分面白かったし、快快も動きを追うだけで充分面白いってこと)。もちろん、千田氏のナレーションがYMO並みの下手な英語だというのではない。彼がナレーターとして醸し出す雰囲気が全体にプラスだったし、少なくとも彼くらいには喋れないと、ということでもある。

篠田氏は「これでストーリーが伝わるか?」みたいな心配をしていたけれど、どちらかといえば、リズムが悪いときは、「テクストが伝わってないんじゃないか?」という心配よりも「ノリがよくないんじゃないか」という疑い方をしたほうが良いと思うのだけれど。

今回もそうだったし、前回「りたーんず」での「アントン、猫、クリ」を観ながらもポヤーと考えていたのだが、テクストと身体の動きへの距離のとり方のバランスというか、アンバランスが、何ともびみょーだなー、と思う。身体の動きが無茶苦茶面白いのに、観客をひきつけていく上で、妙に素直にテクストを信頼している気がして。

説明しつくせないものがあるから、敢えて説明するメディア(本とかアジ演説とか)を避けて舞台上のパフォーマンスを選んでいるのに、そしてそこで面白くなるように動きや構成を選び取っているのに、一方で、「ロジカルに説明する」役割をテクストに担ってもらっている、そしてそこに信頼を寄せている、それも割りとナイーブに(あるいはナイーブに映るように)。

そこんとこ、本当はどうなんだろう?

まぁ、この作品がハンガリーやスロベニアやオランダで受けるかどうかは、僕らハンガリー人やスロベニア人やオランダ人じゃないから分からない。でも、少なくとも横浜で見たワークインプログレスは面白かった。そこが拠り所なんだろうと思う。

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