2010年2月4日木曜日

舞台と空間のWS09冬 牛川紀政「音を視る」

03/02/2010

アゴラ冬のサミットのワークショップ第五回。
先週の木藤さんの回は、何だか疲れててぐずぐずしていたら満員になっていたのだった。で、今回は思い立ったら予約。コンテンポラリーダンスの音響で大活躍の牛川紀政氏が講師。

「音」の捉え方についての凝り固まったマインドセットを解きほぐして再整理するためのいくつかのレッスンを、エンターテイニングに。楽しみながら。

先ずはマリー・シェーファーの用意したいくつかのレッスンを使って、耳が意識する音の範囲をストレッチ。また、音の種類を絞って、ぎゅっとフォーカスを当ててみることで、聴覚の不確かさと、また、それを前提とした意識の仕方で「音の輪郭」が視えてくるプロセスを辿る。

そうやって耳をほぐしてから、「無音にこだわった動き」をすると、これが面白い。
「特定の動き/ダンス ⇒ それに合った音」
というプロセスをひっくり返して、
「特定の音を前提 ⇒ その音(あるいは無音)を生み出すための動き」
というプロセスがあるんだー、と気がついた瞬間が、まるで騙し絵の「図と地」がひっくり返る瞬間のようで、気持ち良い。

欲を言えば、「ダンサー的な動き」と「音」がドンピシャに出会う瞬間の話とか、音響のプロフェッショナルとして「動きに合った音とは何か」についての感覚をちょっと盗めるようなものがあったらなー、とはちょっと思ったけれど、そこまではとても3時間で行き着けるものではないんだろう。

が、本当に、すーっと気持ちよく、耳の凝りがほぐれて内耳の力が抜けたような気分でアゴラを後にした。気持ちの良くなるワークショップだった。

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