19/02/2010 ソワレ
野の上、旗揚げ公演、初日。アゴラで。何という幸せ。何という幸せな連中だ。そして、僕にとっても何という幸せな日だ。
劇団と山田百次の出自(弘前劇場)を考えれば、ある程度安心してみていられるだろうなーとは思っていたけれど、やはり力のある芝居だった。打ち上げにもお邪魔して、本当に気持ちよく酔った。
その上で、色々と文句も出ちゃったのだけれど、やはり一番大きいのは、(その場では言わなかったのだけれど)山田百次の「人の良さ」ではなかったかと思う。
そもそも劇団の始まりが「女優たちのために台本書こうと思った」ということだが、うーむ、それが表に出た瞬間に、「うまいんだけどなー」ということになってしまう。特に前半。「現代口語演劇」の教科書通り、うまーく処理しているのは力があるからなのだが、それでは山田百次の「らしさ」は出てこないだろう(それはその場で申し上げた)。確かに津軽弁でぶっとばされるのはすごいけど、実はそれってすでに弘前劇場や渡辺源四郎商店で観てきたことではあるし。やっぱり、芝居見ていて一番面白いのは、作・演のエゴが裂け目からのぞく、あるいは噴出してくる瞬間なのである。この劇団なら、それが観られるはずだ。
幸太郎君のシーンではあんなに生き生きしていたし、ほかにも「おお、これは」みたいなシーンがあったのだから、もっともっとそんなシーンばっかりやって欲しい、という、これはとっても贅沢な要求なのです。それをやって、役者がついてこれるか?それを心配することはなかろう。どうしてどうして力のある役者いたんだから。井伏鱒二先生に倣って言えば、
「山田百次、良心なくしたらええ」
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