2010年2月6日土曜日

二騎の会 F

05/02/2010 ソワレ

やっぱり、力のある人が集まった芝居は良い。観ていて本当に気持ちよい。
1時間40分の2人芝居。かったるくなることなく、すごく短く感じられた。

実は、昨年のリーディングを聴いて話の筋は知っていたので、ちょっと心配していたのだ。
思いっきりベタなFemale Fantasyで、アンドロイドとFuたり芝居。Four Seasonsを巡る立て付けも、一歩間違えれば、いや、間違えずとも、お涙頂戴メロドラマゾーンにFast Ballをグイッと投げ込んで、非モテ男はアてられてアてられてとても我慢できねえ、と、そういう展開になってもおかしくない台本を、どういじってくるか、心配3割、期待7割。

Flowers、Fireworks、Food (Funghi入りのパスタか?Fall=秋だけに)、最後はPlease Flee to be Free! ってな具合で、外の世界ではFight For Freedom、内の世界ではFuたりっきりで時々意思疎通うまくいかずにFrustration溜まってFu機嫌になったりしながらもすっかり良いFriends。だんだん女性はFrailになってFuゆになるとさすがにFuらFuら、どうするアンドロイド君、ということでFinaleに向かう。そういえば幕間の音楽はFrenchだったりFiddleだったり。まぁ、そんなことばっかり考えてみていたわけではないのだけれども。

ぼーっと流せばメロメロになる芝居だってことは百も承知で、そっちに流れない予防線をあちこちに張って、きちんと役者を観て、舞台を観て!と迫ってくる。役者も、自分の役割は物語の説明に奉仕することなんかではないんだということを十二分に自覚して、ちょっとすごかったな。端田新菜、こんな演技されると、一体何歳の人なんだか分からない。少女のようにも大人のようにもオバさんのようにも見えて、こんなに観ていて面白いのでは物語に流されるヒマもない。多田淳之介のアンドロイドは、「物語を纏わない身体」「でも、実時間が過ぎるにつれてそこに垢のようにこびりついてしまう物語」と真っ向勝負で、それも面白い。台詞も、ファンタジーの物語の骨格はおいといて、「あ、臭い台詞!」と思わせない並びにして、観客の集中力を手放さない。スタッフワークも含めて、「力」を見せ付けてきた。

そういうお膳立てがあってこそ、観客としては、「ひょっとしてこれは全部、端田新菜の妄想か?」とか「実は多田は普通のロボットで、端田の眼にはそう見えるという状況(つまり、「火の鳥」ですな)?」とか「実はこれは老夫婦のごっこあそびなのではないか?」とか、そういうあらぬ妄想に飛んでしまう自由を与えられる。これが嬉しい。まぁ、お姫様抱っこみせつけられちゃあ、「やっぱりメロメロじゃねーか」ってなっちゃうんだけどさ。

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