2006年9月24日日曜日

パラドックス定数 38℃

1時間半、男7人のテンション芝居。
このテの芝居は20年ぶりくらいに観るので、ちょっと緊張していましたが、時計を見ずに最後まで一気に観れました。

作・演出が、絶叫芝居にならないように、でも、あんまりペースが緩み過ぎないように、よく考えられていたからだと思います。

最初は、30億円で細菌テロはなしよ、なーんて思いながら観てましたが、ギアが入るにつれてふと気がつくと芝居が収束しようとしていて、「やられた」と。
役者の皆さんも、「直球しか投げない人」「変化球投げる人」役割分担と見え方を意識して場を作ってました。それも良し。
もちろん、みんな、140kmのタマ投げれるんだよね。力あるのも良し。
仲間割れのようで仲間割れでない、真っ向勝負のようで真っ向勝負でない、そのバランスを理解する作者・演出・役者にとってもセンスを感じました。

一つ気に掛かるのは、やはり、「この芝居の決まり事は何か」ということ。具体的には、舞台と客席の仕切り。

「ある程度だけ」客席に開かれた空間を作るのには、2つのリスクがある。

・観客は、自分の置かれたシチュエーションに対し「どう反応することを演出に求められているか」について、ちょっと困ってしまう(細菌テロの演技 に対して、作り事だといって笑い出しちゃう人も、本当に怖くなって逃げ出す人も、「決まり事が共有されない」状態では、起こりうるリスクだと思います)。
そこらへんのうにょうにょの処理が大変上手なのが、CompliciteのSimon McBurneyだと、僕は思っていますが。

・役者は、何を意識して場を作ればよいのか、悩んだりしませんか?客席に公開講座のパンフを置いて見せたりする割には、どうも、役者は、自分たちを取り囲んでいる人々の反応については、①無頓着 あるいは ②無対象演技 を求められていたような気がする。

勿体無い。

是非、密室劇に書き直して、再演していただきたい。
そうして、作者は自分をもっと追い込んで頂きたい。演出は役者をもっともっと追い込んで頂きたい。
役者はその追い込みに耐えられる良い役者揃ってたと思います。

あ、大塚さん、前宣伝どおり、かっこよかったですよ。
また、どこかの劇場でお会いしましょう。

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