31/07/2010 ソワレ
今日の「華麗なる招待」は「ツリー」バージョン。配役が入れ替わるだけでもかなり印象が変わるかなと期待してSTスポットに足を踏み入れると、なんとなんと配役どころか舞台の趣、構成に演出も大きく変わって、見応えいっぱいの舞台だった。
横浜公演は千穐楽終えたからある程度ネタバレ混ぜながら言えば、僕はツリーバージョンの方がより楽しめた。役者と同じテーブルに腰掛けて90年間を「体感(もちろんうそんこで)」する感覚に、何ともいえずビリビリきた。フランケンズで感じた(だからこの言い方はちょっと使い回し感があるけれど)「大人ままごと」な引き込み方。うそんこだと分かっていてもなおその場に居合わせることが楽しくなること。自分は「カネを払ってエンターテインしてもらう観客」ではなくて「大人ままごとに参加して、快楽をつかみとる観客」であることの確認。
何よりも、部屋の「中にいる」ツリーバージョンと「外から眺める」スターバージョンとではいろいろな距離感が違って、中からみたときの「死に向かう」距離感は、息が詰まりそうに長く感じた。そうやって考えると、スターバージョンのあの距離感も実はなかなか捨てたもんではなくて、一つのパッケージとしての90年間をぎゅっと括ってみせるやり方も、もっともっと楽しんで観れたのではないかとも思われてきた。
召田さんのルシアは目が離せなかったし、坂口辰平には娘大喜び、黒川さんのアーマンガードおばさんで締めくくってほしいというのは、toiが"The Long Christmas Dinner"を演ると聞いてからずっと心待ちにしていたことだし、もちろん他の役者陣も力が溢れ、満喫。
そうそう、一ついい忘れていた。スターバージョンの武谷氏。老いたウェインライトのおじさんの顔は、あれは、どうみても吉本隆明の顔真似だ。そうとしかみえなかった。
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