2010年8月9日月曜日

ニットキャップシアター ノクターンだった猫

08/07/2010 マチネ

ごまのはえさんの書いた芝居を拝見するのは、2007年の「お彼岸の魚」、2008年流山児事務所の「双葉のレッスン」以来、三度目。

冒頭、ごまのはえ氏の呪文(と僕は呼ぼう)が役者たちを引き寄せ、彼の劇世界を立ち上げていくシーンは秀逸で、彼のつぶやきと指の動きに引き寄せられる。そこから、時には一連の物語にずるずると引っ張られるかのように、時には彼の妄想とともにジャンプしながら、2010年ネコといっしょに劇世界の旅、心地よい緊張感を持って観ていられた。

それが「愛してます!」に戻ってきた瞬間の驚きは僕にとってはこの芝居のクライマックスで、「あぁ、ここで芝居がブチッと切れて終わってしまったらなんと幸せなことだろう」と、創り手の皆様には大変失礼ながら、真剣にそう思ってしまったのである。

その後の「愛してる!」ダッシュと、それに連なる一種「広げた風呂敷を畳みなおす」感のあるラストではちょっとダレてしまったけれど、あぁ、もっと、弾けて広がりきって回収できないところまで飛んでいっていたらなぁ、というのはとても個人的な願望なので、聞き捨ててください。

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