2017年3月30日木曜日

Beware of Pity

12/02/2017 15:00 @Barbican

2015年末、ベルリンで初演されたSimon McBurney演出の大傑作。英語字幕も出来上がって、待望のロンドン公演。
初演時、筆者はたまたまベルリンに来ていて、ドイツ語を100%解しないまま劇場に突撃、字幕無し上演後に「すごい芝居を観た!」と確信したのだが。

<当時の感想は以下の通り>
http://tokyofringeaddict.blogspot.co.uk/2016/01/ungeduld-des-herzens.html

今回、英語字幕付きの上演。
話はとてもよく分かったよ。あの後、ツヴァイクの原作小説も(途中までだけど英語で)読んだし、筋書きはとてもよく分かったよ。登場人物が何言ってるかも分かった。
でも、字幕と舞台を交互に見ていると、それによって失われる情報量が凄まじい、ってことも良ーく分かったんだ。

ベルリンで観たときの、あの、とにかく五感を総動員して何が起きているのか、誰がどんな反応しているのかを追い続けた体験と比べると、
トータルで舞台から受け取った「質量」が遙かに小さくなったと感じた。

ラストシーンも、(ひょっとすると、バービカンの小屋の大きさに比してスクリーンの大きさが小さかった、ということも作用したのかも知れないが)ベルリンで観たときの「ドドーン」というインパクトはない。
正直、字幕の方に意識が半分行っていたからだ。
自分的には非常に残念な観劇体験となった。作品にではない。自分自身にである。
そして、日本の芝居を「字幕付き」で英語圏に持ってくる時の限界も考えてしまった。ネイティブで言語を解する人とそうでない人との間での、受け取る情報量の落差は如何ともしがたい。

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