2015年12月13日日曜日

Linda

05/12/2015 19:30 @Royal Court Theatre, Downstairs

劇場に入るなり目に飛び込むのは、白パネル仕上げ、片側3層、裏側2層の回り舞台。そこに投影される映像は舞台が回っても画が歪まず、一体どんなプロジェクター使ってるんだとキョロキョロしてしまう。役者の数も多くて、相当気合いとおカネをつぎ込んだ芝居であることは開演前から十分に分かる。

冒頭の主人公によるプレゼン
わたしバリキャリ55歳。シングルマザーを振り出しに、これまで幾多の賞を取って、出世階段上ってきた。今じゃ夫と2人の娘。50超えると男からの視線が変わってきた。道ですれ違っても二度見なし。工事現場で口笛無し。そんな貴女に贈る、新しいシニア女性のための化粧品をどうぞ!
このイターいトーンが芝居全編を規定するテーマになっていて、この後の展開はと言えば、
バリキャリ55歳キャリアの絶頂が、会社のポジションを失い、夫は浮気し、子供とは心が通わず、自分の出来心のオフィス内情事が携帯経由で社内中に広まってドツボった挙句・・・という物語。ヒロインの演技が過剰なまでに力強く、いやしかし、最近メディアでぶいぶいゆわせてる自称バリキャリ系は男女問わず過剰気味だよなー、そこのところ、妙にリアルだよなー、と思いながら、最後まで面白く観られた。

とはいうものの、「こういう物語、わざわざ舞台でやる必要あるんだっけ?テレビや映画でOKじゃね?」という疑問は拭えず。
まぁ、エンターテイメントとしては相当イケてるのだが。
やはり、冒頭から前半終わりまでのドライブ感は相当なもので、一幕が終わったときの拍手はいつもにも増して大きかったのだが・・・

後で新聞のレビュー読んで知ったことなのだが、この芝居の主役は、当初、"Sex and the City"に出演していた有名女優(Kim Cattrallという方らしいのですが、僕はSex and the City観ていないのでまったくピンとこない)が演じるはずだったらしい。それが本番10日前に健康上の理由で急遽降板。10年前にオリヴィエの助演女優賞を取った実力派に代役を頼んでの本番だったんだそうだ。そうか、そう言われてみれば、
・妙に前売りチケットの売れ行きが良かったんだよなー。
・舞台装置にもバッチリおカネかかってるよなー、
・一幕終わりの拍手は、「代役さん、頑張ってるよー!」っていう声援の拍手だったんだ!

いやいや、恐れ入りました。急な代役でここまで出来るとは、Noma Dumezweni、相当力のある女優さんです。

でもね、やっぱり、わざわざ舞台に載せてやる必要ないんじゃねーの?テレビドラマでよくね?って素直に思っちゃうんだよね。

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