20/06/2015 マチネ @Royal Court Theatre, Jerwood Theatre Upstairs
昨年、"Ghost City"の日本語訳をRoMTで上演した、Gary Owenの新作、ウェストエンドデビュー。
きつい芝居を140分見せておいて、こういう落とし前ですか、って、思っちゃったよ。
ウェストエンド、っていっても、Jerwood Theatre Upstairsは、劇場の階段をがしがし上がっていって、最上階、屋根裏のようなスペース。キャパ100人弱のスタジオで、すこぶる良い感じ。スタジオ中央、円形に囲った家の居間を、周囲から客席が取り囲む。
なんと言っても、タイトルからしてViolence and Son 「暴力と息子」。Violenceってのは、父親のニックネーム。息子を産む前に父から逃げた母が病気で亡くなり、身寄りも無く、やむなく父の元で暮らすことになったDr Whoオタクの童貞17歳。きっつい話になるのではないかと、ある程度の予想はしていたのだが。
父と息子の感情の「上下動」と「波長のズレと偶然の同期」とが、何とも言えない面白いうねりを作り出していた。
あるDr Whoイベントに一緒に行った後、色々あってうちに帰れなくなっちゃった女の子を一晩家に泊めることになる、オヤジは相変わらずの暴力男だが、そこにつきあってる女性も来ていて、で、オタクな息子に童貞喪失のチャンス到来、さて、どうする?
っていう筋なのだけれど、それが、どう展開するのか。女優2人の頑張りもあって、がっつり時間を進めていく。そこは、堪能した。
が、ラストの持って行き方が...こ、これで良いのか、過ぎて...
そういえば、昔、エディンバラで、ロリコン前科者の男をアビューズされてた女の子本人が訪ねてくるって芝居を観て、それが、ラスト直前まで壮絶な出来映えだったのに、最後のなくても良いシーン3分間でぷっと吹いちゃう終わり方で、やっぱり、「こんなのありー?」と思ったことがあったのだけれど、いや、もしかして、UKの芝居って、僕から観るととてつもないとんでもな終わり方をすることが、実は「すごい」って思われるために必要なのだろうか?そういえば、岩井秀人氏の「て」のリーディングをロンドンでやったときも、「ラストのひねりが足りない」とおっしゃった人がいたそうだが、やはりここは一発、狂った次男の運転するトラックが葬列に突っ込むぐらいやれば、ウェストエンドでの成功間違いなしだったのだろうか?
またぞろ、英国の芝居に対する疑念がむくむくと・・・
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