2008年12月1日月曜日

ポかリン記憶舎 鳥のまなざし

30/11/2008 マチネ

千穐楽。
「舞台と足の裏が触れる触感」と福士史麻の横顔につきる。

シアター・トラムのプロセニアムを取り払って、劇場中央にドカンと置かれたマウンドは、リノリウムや木の触感ではなくて、どうやら布、薄いスポン ジかそれに近い素材。見た目にやわらかいのだけれど、自ら触って確かめるべくもない。が、裸足の役者が出てきてそこに足を触れるや否や、そのやわらかさが 確認できると同時に、さらに「皺が見たい。たわみが見たい」と思ってしまう。照明の当たり具合からか、なかなかその皺が目に入らず、中盤に照明が横から当 たって陰影が見えやすくなって、ようやっと、「ああ、たわんでいる」と確認できる。

で、小生の視線はその柔らかい床を歩く役者の裸足の足に釘付け(小生足フェチではありません。念のため)。かかと着地の人、足先が反り返る人、爪先着地の人(女優2人)。長い足、幅の広い足。それらのバラエティに富んだ足が舞台に触れる触感が、見た目にも気持ちが良い。

タイトルの「鳥のまなざし」は、僕にはピンと来ない。所詮、僕の芝居を観る目は、地べたに張り付いた虫のまなざしである。

で、その、「街」というよりも「砂丘」を思わせる長方形の舞台の周りを、福士史麻が何度も走ってまわるのだが、これがまた、「走る役者の横顔を見 て!」といわんばかりである。そういえば、前回観た「息、秘そめて」でも福士史麻は横顔で登場、横顔で退場だった。「かわいいから出す」というよりも、む しろ、「ハードウェアとしてキレイだから福士史麻の横顔を使う」のではないかとまで思わせるものがある。

以上2点をもって良しとする。芝居の構成については、正直、ついていけなかった。話の構成を見ず、足ばかり見ていたせいだろう。ラストシーンも、 「一体誰と誰が出会ったのか」分かりませんでした。それはそれでよいのでしょうか?そのうち、誰かに話の筋を教えてもらうつもり。

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