13/12/2008 ソワレ
奇跡のようにといってしまっては前田氏と役者達に大変失礼になるのだけれど、でも、本当に、とんでもなく面白い芝居だった。やられた。
幕が開いてからのテンポのよさ、余計なもののなさ、意識の拡散、暴力的な関心のなさと空気への反応の共存、色んな点で、いわゆる現代口語演劇で 「あ、こういうのみたい!」と思わせるものが全部てんこ盛り。かつ高校生ならではの夾雑物が入り込んで、まさに「卒業しちゃったら再演できないからさ」と いうもったいなさがとてもよく分かった。
カジロの「なんば」な体重移動、ピンキーが体操ずわりしているときの土踏まず、後ろで様子をうかがっている4人の爪先の動き、お菓子の包装を剥く 音、ゆーみんは果たして自転車に乗れる人なのか乗れないのか、あ、そもそも、マソンって、何で「いることになってしまった」んだっけ?
いろんなことが細部まで詰まって、かつ謎々として残って、1時間40分突っ走る。すげーなー。
で、この芝居で最も得るところが在ったのは、実は、前田氏ではないかと思っている。色んなものがきちんと組み合わさって、すごい面白いものが出来ちゃう、ということが、芝居として実証されちゃったんだから。
が、「卒業公演だから」なのか、「完成度の高い芝居だから」なのか、「五反田団本公演じゃないから」なのか、「この先この才能はどうなっちゃうん だろう?」というドキドキ感には欠けた気がする。それは、とっても贅沢で、ひょっとするとひがみ半分の意地悪な要求なんじゃないかと、自分で思ったりする のだが。
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