2016年3月8日火曜日

The Magic Flute

26/02/2016 19:30 @Coliseum

2012年初演、Simon McBurney演出にかかるENOプロダクション。ENOなので、全部英語。しかも字幕つき。

4本のワイヤーで吊られた舞台板が格好良い。舞台下手の黒板・本その他諸々が舞台奥にバーンと投影されるのも格好良い。舞台上手のブースで音響効果作ってマイクで流すのも格好良い。フルート奏者や鍵盤奏者を舞台上に引っ張り上げて演奏させちゃうのも格好良い。
とにかく格好良くて、完成度が高くて、こんな事ばっかりしてたら高尚でスカしたオペラになっちまうぞ、と思いきや、
もともとがモーツァルトの魔笛であること、ENOだから子供もたくさんやってくる、そういうプロダクションであること、っていうのも手伝ってか、嫌味が無い。

うーむ。
が、これだけスムーズにいろいろなものを融合できるというのが、オペラ演出家としての技量の非常な高さを示すものだとして、
逆に引っかかりも無い、って気もしたんだよな。ちょっと。
いや、これ、モーツァルトだからそれで良いんだよ。って事なのかな。うん。そうやって僕も楽しんだのだけれど。
いやいやいや、勿論、「こんなもんか」ってレベルでは全然無くって、すっげえプロダクションであることは間違いないです。

どうも、自分自身、こういうのには弱い(=ピンとこないと言ってしまいたくなる、一種ひねくれた感情を持って観てしまう)のかもしれない。
ガジェット満載の日本の芝居であれば、どっちかというと「突っ込みを待っている」ところを感じて、そこに突っ込んでいくことを楽しんだりするのだが。
そういう突っ込みどころを全部予想して、事前に全部載せで対応を用意しておいて、しかもそれにプラスで何か仕掛けてくる、
そういうキャパシティは、まさにSimon McBurneyの才能の懐の深さ。こういうのを目にすることが出来るオペラファン、こどもたちは本当に羨ましい。

0 件のコメント: