25/10/2014 ソワレ
東京初日。ジャケ買いならぬ、チラシ観劇。
アゴラの受付で、異様にアウェーでの緊張感みなぎる制作陣を拝見して、これがまた、無責任な観客としては期待感高まった。
そして、期待を超える面白さ。
こんなスタイルの芝居、観たことない。と思う。冒頭から、モノローグと会話、過去の記憶と現在の出来事、今を生きる登場人物と今は亡き人物が、切れ目なく、極く目の詰まった織物のように組み合わされて、互い違いに現れては消え、緊張を切らさずに世界が積み上げられていく。それも、順を追うのではなく、出来事と出来事の間の隙間は観客に好きに埋めさせながら、肝心なところはぐいっと引っ張って方向を過たせない。その緊張感が味わえただけでも、十分、観に来て良かった。
そして、スタイルとマッチした設定。この地方都市(しかも、駅前には商店街があって、スーパーが進出したり国道が走ったりする、中途半端に開けた地方都市)は、からっと明晰なスタイルでは描ききれないのだろう。烏丸ストロークロックの、全てを一度には説明しきらないスタイルと、何かを覆いながら日の当たる場所(あるいは蛍光灯で照らされている場所)を増やしていく、一方で、覆い隠すものは一所に固めて排除していく場所の設定とが絶妙にマッチして、舞台全体のトーンがビシッと決まっていた。
今後の展開を、経済×そうでない幸せ、みたいな二元論に落としていくのは勿体ない。悪意とか嫌悪とか罪悪感とか、そういう言葉で言い表せない、でもなんだか気持ちの悪いものに肉薄できる可能性がこの芝居からは感じられるのだ。
本当は、どんな風な稽古を通じてこんな芝居ができあがるのかとか、そもそもどんな風に芝居を立ち上げてるのかとか、いろいろ聞きたかったのだけれど、トークがそっちの方向に行かずに、むしろありきたりの「テーマ性」「社会性」に流れちゃったのが残念。いや、機会があれば、もしかすると題材が変わったところで、是非また拝見したい劇団です。
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