2016年2月8日月曜日

黒塚

30/01/2016 20:00 @パリ日本文化会館

木ノ下歌舞伎のパリ公演。フランスの観衆が木ノ下歌舞伎をどう捉えるかにも興味があったし、パリ日本文化会館の広めの小屋で黒塚がどう見えるかにも興味があった。
でも、なにより、木ノ下歌舞伎が観たかったんだよ!
僕と同じく、アゴラでの四谷怪談が木ノ下初めだった友人F氏も来たパリ千穐楽。

観に行って本当に良かった。
作品としての成熟が見られたのもよかったし、広い小屋(日本で言うとあうるすぽっと位の広さはあるかなー。吉田町スタジオが20コくらい入りそうな)でも十分に通用する、というか、座組が小屋の広さに対して十分な意識をもって対処してれば全く関係ない、というのが分かったことも大きかった。
ちょっと引いたところで拝見したのだけれど、北尾氏のダイナミックな動きとか、武谷氏の緩急とか、旅僧達のポジション取りとか、そういうのがよーく見えたのも良かった。

本当に、何度観ても良い芝居。

木ノ下先生/邦王子のトークを開演前にもってきて、「口語台詞」「文語台詞」の区別が字幕についてることの説明があったことも奏功。
僕もちょっと迷ったら字幕で確認したりして。

しかし、なんと言ってもパリの人たちの「面白そうな芝居」「美味しそうな料理」に対する貪欲さといったら・・・
こういう芝居をロンドンにもってきて、面白がってくれるだろうかというと、正直、自信が無い。
却って完成度が高いだけに、何かと難癖をつけてこけおろしにくるんじゃないかという気がする。そうじゃないと、イギリスの現代演劇が何に対して手を抜いているかがあからさまになってしまうおそれがあるから。

うん。そうだよ。ロンドンにいては観られないものが観たかったんだ。それができるのはパリ。ロンドンからはそもそも呼びもしないだろって思う。そういう違いは大きいよ。

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