19/03/2016 15:00 @National Theatre, Temporary Theatre
昨年のエディンバラ・フェスティバルで観てから、妙に心に残っていた芝居。今回、ツレと一緒にNational Theatreまで出かけたのだが、再見して、やはり素晴らしい芝居なんだと言うことを再確認。
カップルの2人芝居で、2人とも障害を持った役者なのだけれど、それは単に「そういう人だ」ということでしかなくて、主題は、「どこにでもあること」「誰にでも起こりうること」の王道である。
「誰にでも起こりうるが、個別の事象としては、その特定のカップルにしか起きていないこと」にどう対処するのか、というテーマが、
「右手が不自由であること」「耳が不自由であること」にどう対処するのか、ということとのアナロジーとして示されることで、観客にとってよりよく理解できる構造になっている。
そして、それはまた、(2人が)共有している状況と(お互いに)共有し得ない何か、の境界線ともリンクしていて、その境界は舞台上のカップルによってギリギリまで突き詰められる。
そして、多分とても大事なことは、「どこかで折り合いを付ける」ということで、それが、時として上手くいったり、上手くいかなかったり、それでも時間は前に進んで。
教訓じみたことではない。喜劇も悲劇も、それは「既に起きたこと」。そこから未来に向かって、希望と絶望が、同時に生まれ出る。それを、淡々と、同時に力強く、押しつけがましくなく、舞台に乗せていた。本当に素晴らしい芝居だと、改めて思った次第。
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