26/08/2016 12:00 @Edinburgh International Conference Centre
スコットランド人俳優2人とアメリカ人女優1人がスコットランドを旅して回る話を、女性4人で構成されたバンドが生演奏でサポートするロードシアター。
ロンドンでビジネスマンとして働くスコットランド人、生粋のアメリカ人だが、遠戚を辿れば必ずスコットランドのどこかにルーツを見いだすことの出来るアメリカ人、スコットランドで生まれ、そこで暮らすスコットランド人。その3人が出会ったときに、スコットランドとは何か、アメリカとは何か、移民とは何か、そういうものが見えてくる.
んじゃないかなー?
というのがこの芝居の狙いだったと思われるが、「スコットランドあるある」や「勘違いアメリカ人あるある」が前に押し出されてしまい、「ご当地ドラマ」からもう一つ大きな風呂敷を広げられない、あるいはもう一歩掘り下げられないままに終わってしまったのは勿体ない。
百歩譲って「スコットランド人同士がスコティッシュで普通に喋ったら、筆者にはついていくのが大変だった」というのは、事実として認めざるをえない。だから、細かなニュアンスが追い切れなかったことは疑いようもない。でも、それを上回って前半のアメリカ人対スコットランド人のやりとりは大雑把な「あるある」になっていなかったか?いやむしろ、ウェストバージニアの小さな町を抜け出してきた彼女が、着いたばかりのスコットランドでなんの差し障りもなく会話に入っていっちゃったことに、(やっかみ半分以上入ってるが)驚きを感じたり。
19世紀ハイランドのクリアランスと、21世紀アメリカの鉱山開発自然破壊を、うま—く繋いで3人の気持ちを近づける、あるいは観客の視点から見たスコットランドとアメリカをグイッと近づけようとする試みは、悪くはないけれども、それも、きっと、現代を生きている3人の関係がもうすこし上手く見せられていたらもっと効果的だったのではないか、って思ってしまう。
コンファレンスセンター、という、劇場に仕立てるのにはちょっと広すぎて、冷たい感じのする空間で上演されたことも影響していたのかも知れない。当初のプロダクションの目論見には沿っていたものの、いわゆるプロデュースものの芝居にありがちな「互いの遠慮」が出てしまったのかも知れない。それにしても、中途半端だったなあ。
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